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 再び、ヒノエの抜粋です。



 なんというか、突然「プリンターが壊れた」と言われた時はもうホントどうしようかと・・・!
 買いに走って下さったらしいです。

 また一つ頭が上がらなく・・・


 ・・・・・いやいやいや、例の平家神子は将望でやろうと思いますよ・・・よ?!
 将臣の浮気が見たいというご意見があるのでウフフ。
 なので本当は将臣×望美←知盛にしたいんだ…!重衡でもいいよ・・・!

 

 さてヒノエだ。
 ヒノエです。
 ラストスパート、頑張りますよ!

 今回のキリリクは完全夜っていうか・・・・それをオンでやれっていう・・・・?

 が、頑張りますよ!

 ではではヒノエ抜粋です。

  

拍手[4回]


 翌朝である。
 ふと、目を覚ますと、もうヒノエはいなかった。その代わりに文が残っている。
 今日みたいに、長く留守をするときなど、折に触れてヒノエは歌を詠んで贈ってくれる。
 そのおかげで望美も……といかないところがつらいものだ。望美だって、もうかれこれ随分と長い間、この時空にいるというのに。
「夕闇はみちたづたづし 月待ちて行ませ吾が背子その間にも見む………う、わからない」
 望美はかろうじて読み上げてみたけれど、意味はさっぱり分からなかった。というか、読み上げた歌が合っているかもわからない。
 だから歌を返したことはなくて、いつもありがとうを言うだけだ。ヒノエはそれでも怒らないが。
 ―――望美は僅かに目を閉じた。
 熊野別当の正室に用意されるというこの局は、とても日当たりがいい。お腹も満たされているからか、少しばかり眠たくなってきた。
 荒々しく執拗に愛された名残りで、身体全体がもともと何だか重い。だが、さらに重いのは気分だった。
(気に……してるよね、ヒノエくん……)
 謎が解けてすっきりしたよとヒノエは微笑んでくれたけど、きっとそれも本当なのだろうけど、ヒノエはやっぱり気にしているようだった。
 やはり、話さない方がよかっただろうか……。
 うとうとしつつ、望美は考える。
「―――はあ…、どうしたらいいかな……」
「何がですか?」
 望美は突如として聞こえてきたやわらかい声に、一瞬びっくりした。一気に目が覚めた。
「べ、弁慶さんっ?」
「こんにちは、望美さん。元気そうで何よりです」
「べ、弁慶さんも元気そうで……」
 九郎とともに軍を辞したという腹黒法師は、爽やかな微笑みを浮かべてそこにいた。
 望美もほんのりと弁慶に微笑みかけ―――そのまま暫し止まった。
「―――弁慶さん、ここは私のお部屋ですよね……?」
「ええ、そのようですね。人がいなくて、大変話しやすいです」
 弁慶は悪びれずに笑う。
 いまだに、女房はおろか烏さえもこの部屋に近づいてくるような気配を見せない。
 要は誰にも悟られていないのだ。この熊野本宮最奥に位置し、ヒノエが厳重に警護させているだろうここへ潜り込んでおきながら……。
 望美は呆れてひとつため息をつき、苦笑を浮かべた。
「ヒノエくんに怒られちゃいますよ、弁慶さん」
「ふふ、潜り込むのは得意なんです」
「そういう問題かなあ……」
 相変わらずとんでもない人だとは思う。
 やわらかな物腰に騙されると痛い目に遭うと、そういえば、敦盛までもが言っていたような。
 だが、そうやって笑っていると、少し気が紛れた。
「で、そのヒノエに用があって来たんですが、どこにいるか知りませんか」
 どうも望美のもとにヒノエがいると踏んできたものらしい。その推測はおおむね正しいが……。
「あ……ごめんなさい、ヒノエくん、水軍の方の用事で、しばらく留守にするんです」
「おや―――そうでしたか」
 弁慶は眉根をちょっとあげた。
 水軍の長の妻らしく、ヒノエがいつ帰るかを口にしない望美に、成長が仄見える。
 ヒノエや他の面々が、望美をお飾りでなく、ちゃんと奥方として扱っている証左だった。
 それも内心では心配だった弁慶は、知られないように。ほっと息を抜く。
 異世界の少女。
 弁慶が召んでしまったに等しい、白龍の神子。
 望美が幸せでいてくれるということは、弁慶の心に少しの慰めをもたらすのだった。
「それで―――ですか、その憂い顔は?」
「え?」

 ヒノエくんは悩み多き年頃ですが、同時にその悩みだけに没頭していられません。
 そういう意味では叔父様の方がフリーダムです。


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