更新日記
こんにちは!
本日、酔芙蓉が印刷所から到着しましたので、御予約の方には発送させていただきました。
今しばらくお待ち下さい。
お待たせして申し訳ありませんでした!
やー、何て言うか、分厚い(^^;
や、怨霊姫の下巻もそんなもんなのですが、分厚い。
大の段ボールに46冊がせいぜいでした。
イベントには何冊送れたのかしら・・・・・実は葉明にも不明でございます。
あ、すっかり忘れておりましたが、通販は10日 22時頃から始めます。
その頃ちょっとチャットでも繋げているかもしれませんので、もしお暇な方はおいで下され。
・・・なんかじじくさいな・・・・
戦国時代をやっていると、これだからいけません(笑)
ともあれ、とりあえず翠炎の冒頭と、発送のご連絡です。
お心当たりの方はお待ち下さい。
楽しんでいただけると幸いです。
ではでは、本日も拍手・ご来訪、誠にありがとうございました!
「―――な、真奈!」
「は、はいっ……!」
反射的に背筋を伸ばしてしまった私を、翠炎――じゃなかった、翠は、困ったような笑顔で見つめてくれる。
今日も綺麗だなあ。
男の人に綺麗はないかもしれないけれど、やっぱり翠は、カッコいいというより綺麗だ。
顔立ちや立ち居振る舞いもそうだけど、何より雰囲気が洗練されてて素敵。
「そんなにかしこまらくていいですよ」
「う、うん、でも……」
私はつい、口ごもった。
かしこまりくらい、する。だって、今日は翠のご両親に、初めて会うんだもの!
妹の美月ちゃんにはそれなりに会っているけれど、それとは訳が違う。
だって……、今日は―――
「頑張るね、私」
「普段通りの真奈でいいですよ。うちも、普段通りですから」
「―――うん」
優しく微笑む翠。
安心しながらも、心のどこかで刺のようなものが刺さる。
当たり前に我が家を語れる翠。たった一人の妹さえ喪ってしまった翠炎。
翠炎が幸せになったんだって思えばいいのに、心の中で何かが燻って、悲鳴を上げる。
―――幸せなのに。
優しい翠。大好きな翠。妹と手を繋ぐ姿は本当に幸せそうで、本当に嬉しいのに。
それも、本当なのに。
「行きましょう、真奈」
「うん」
心の奥で何かが弾ける。何かが責める。
それが一体何なのか、私は深く考えないようにしていた。
「は、はじめまして。白羽真奈です」
「……こんなに若い娘さんなのか?」
挨拶したら、開口一番、翠のお父さんがそう言って顔を顰めた。厳しい口調に、ドキリとする。
「あ、あの、私、童顔で……いつも若く見られるんです。だけどもう十八で……」
それでも笑顔で応えた―――つもりだった。
だけど、それでもますますお父さんの顔つきは厳しくなっていって……。
「……あなた」
「俺は反対だからな。翠、帰ってもらえ!」
「お父さん……!」
翠が止めても、お父さんは聞かなかった。踵を返して、奥の方に消えてしまった。
お母さんも、困ったように翠と私を見比べてから、そっと一礼して、お父さんの行ってしまった方へと行ってしまう。
……家にあげてさえ、もらえなかった。
ほんの一瞥。それだけで、もう何もかも駄目だと言われたようだった。
「……翠、行こ?」
小さく作った笑顔で見上げながら、私は翠の服の裾を引っ張った。
「真奈……すみません。まさか、こんなことになるなんて……」
「ううん、いいの。……やっぱりちょっと早かったんだよ。私こそ、ごめんね、翠」
いつもは落ち着いている翠がうろたえている。反対に、私の心は凪いでいた。
ショックじゃなかった訳じゃない。
でも、何故か奇妙な安堵が付き纏う。幸せになれなくてホッとするなんて。
(翠炎……)
途方に暮れたような翠の顔に、翠炎が重なった。
やっぱり幸せになっちゃいけない―――
少なくとも、すぐに、とんとん拍子に幸せになっちゃいけないんだと思った。
そしてそれに、ホッとしていた……。
ゲーム後から。
まあ急に幸せにはなれません。
葉明の話には珍しい展開ではないでしょうか?
でもまあ王道展開には違いない。。。
「は、はいっ……!」
反射的に背筋を伸ばしてしまった私を、翠炎――じゃなかった、翠は、困ったような笑顔で見つめてくれる。
今日も綺麗だなあ。
男の人に綺麗はないかもしれないけれど、やっぱり翠は、カッコいいというより綺麗だ。
顔立ちや立ち居振る舞いもそうだけど、何より雰囲気が洗練されてて素敵。
「そんなにかしこまらくていいですよ」
「う、うん、でも……」
私はつい、口ごもった。
かしこまりくらい、する。だって、今日は翠のご両親に、初めて会うんだもの!
妹の美月ちゃんにはそれなりに会っているけれど、それとは訳が違う。
だって……、今日は―――
「頑張るね、私」
「普段通りの真奈でいいですよ。うちも、普段通りですから」
「―――うん」
優しく微笑む翠。
安心しながらも、心のどこかで刺のようなものが刺さる。
当たり前に我が家を語れる翠。たった一人の妹さえ喪ってしまった翠炎。
翠炎が幸せになったんだって思えばいいのに、心の中で何かが燻って、悲鳴を上げる。
―――幸せなのに。
優しい翠。大好きな翠。妹と手を繋ぐ姿は本当に幸せそうで、本当に嬉しいのに。
それも、本当なのに。
「行きましょう、真奈」
「うん」
心の奥で何かが弾ける。何かが責める。
それが一体何なのか、私は深く考えないようにしていた。
「は、はじめまして。白羽真奈です」
「……こんなに若い娘さんなのか?」
挨拶したら、開口一番、翠のお父さんがそう言って顔を顰めた。厳しい口調に、ドキリとする。
「あ、あの、私、童顔で……いつも若く見られるんです。だけどもう十八で……」
それでも笑顔で応えた―――つもりだった。
だけど、それでもますますお父さんの顔つきは厳しくなっていって……。
「……あなた」
「俺は反対だからな。翠、帰ってもらえ!」
「お父さん……!」
翠が止めても、お父さんは聞かなかった。踵を返して、奥の方に消えてしまった。
お母さんも、困ったように翠と私を見比べてから、そっと一礼して、お父さんの行ってしまった方へと行ってしまう。
……家にあげてさえ、もらえなかった。
ほんの一瞥。それだけで、もう何もかも駄目だと言われたようだった。
「……翠、行こ?」
小さく作った笑顔で見上げながら、私は翠の服の裾を引っ張った。
「真奈……すみません。まさか、こんなことになるなんて……」
「ううん、いいの。……やっぱりちょっと早かったんだよ。私こそ、ごめんね、翠」
いつもは落ち着いている翠がうろたえている。反対に、私の心は凪いでいた。
ショックじゃなかった訳じゃない。
でも、何故か奇妙な安堵が付き纏う。幸せになれなくてホッとするなんて。
(翠炎……)
途方に暮れたような翠の顔に、翠炎が重なった。
やっぱり幸せになっちゃいけない―――
少なくとも、すぐに、とんとん拍子に幸せになっちゃいけないんだと思った。
そしてそれに、ホッとしていた……。
ゲーム後から。
まあ急に幸せにはなれません。
葉明の話には珍しい展開ではないでしょうか?
でもまあ王道展開には違いない。。。
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