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こんにちは、葉明です。
 更新遅れて失礼しました…。

 地震大丈夫と知って安心しました^^停電は知りませんでした…
 ご報告ありがとう~!
 

 更新のない間、通販ページ眺めてらした方には何となくわかると思いますが、葉明は頑張っていたのです…。
 ひい、ふう。


 そして、那由多工房へのコメントもありがとうございました!
 ご希望いただいた分は確保していますので、5月通販のときに新たにお申込みになる必要はありません。
 ただ、本の通販を申し込まれない場合のみ、5月1日~10日のフォームからご希望の那由多工房の商品を選んでお申込みいただき、お名前欄に拍手で使われたHNをお書き添えください^^

 ただ今在庫が、洋風・和風が6、コツメくんが2になっています。

 基本的には在庫が切れたら予約に移行し、補充後の発送になりますので、コツメくんは急いだほうがいいかもです。
 コツメくん…可愛いですよね…w
 でも、基本的に補充していくので、欲しい時にどうぞ~

 
 さて、ちょっと修羅場になってきたので、更新はちょこっとお休み。
 来週までお待ちください^^
 

 少しでもお楽しみいただけますように!
 本日も拍手・ご来訪、誠にありがとうございました!
 

 


拍手[2回]






 望美といえどもさすがに見覚えのある平安時代を思わせる装束の女性たちに連行され、望美は湯殿に諸共に連れ込まれ、脱がされそうになったのだが。

「あ、危なかった…!」

 何とかそれは回避した。
 異世界の習慣でお風呂は一人で入るんです!
 と、望美は何度も何度も懸命に懇願し、彼女らの渋々の承諾を得たのだった。
 中でも一人がしつこかった。

『神子様はこちらの衣装をお召しになれないのでは?』
『異世界の習慣は承知いたしましたが、ここは京でございますし…』

 一番年かさの女房は、そう言ってなかなか望美を解放してくれなかった。
 だが、そのぶん彼女が納得してくれたら、他の女房たちも退いてくれたから、望美の攻略方法は成功だったのだろう。
 望美は湯殿の脇から庭に降り、人目を忍んで何とか門のところまで来た。
 門に門番などの人影はない。
 出ていくなら今かもしれないが。
 望美は一瞬躊躇し、ごくりと喉を鳴らした。
 その次の瞬間だった。

「ヒュウ♪やるね。朔ちゃんの囲みを突破するとは」
「えっ、あ、あなた!」

 望美は目を見張った。
 今の今まで誰もいなかったはずの門の真ん中に「ヒノエ」が佇んでいた。

「お、お願い!見逃してっ」

 望美は真剣に彼を拝んだ。
 ―――何しろ、ここにいたら後宮いきが待っているという。
 後宮とは、あれである。
 妃とか后とかそんな感じの。
 つまり、結婚!
 何か困っているのかもしれないが、突然連れてこられた世界で自分の運命が決められてしまうのは嫌だ!
 望美は真剣に逃げたかった。
 が。

「ここから出ていこうってことだよね?」
「そ、そう」
「気概はなかなかいいけど……あてはあるの?」
「うっ…」

 望美は素直に口ごもった。
 あてなどない。
 誰もいない門の前で二の足を踏んだのはまさにそれが理由だった。
 更に。

「将臣と譲……だっけ。その二人だって、ここを出てどうやって探すのさ。あんな人相書きでいけると思うの?」
「う、うう…っ」
「諦めな。はい、ご帰還」

 くるっと身体を方向転換され、背を押されてしまう。
 それでも望美は諦めたくなかった。
 だって。
 大事なことだし、それに。

「―――じゃ、じゃあ、ヒノエくんはどうやって二人を探す気だったの?あの人相書きで」

 涙目で、顔も若干蒼褪めているのに立ち向かってきた少女に、ヒノエはまた軽く口笛を吹いた。

 二人をどうやって探すのか。
 そんなこと、教えてやる義理は特にないのだが。
 それでも、実はヒノエは望美に同情していた。

 だいたい、異世界に召喚された時点で、本人にとっては天災だろう。
 何の用意もできずに放り込まれた世界で、すぐに自分に有益な行動ができる方がおかしい。
 基本的に「詰んで」いるのである。
 そうした現状を正しく理解しつつも、まだ少女は足掻こうとしている。
 打ちひしがれるでもなく、流されるでもなく、何とか自ら活路を見出そうとするめげない眼差しに、ヒノエの感情は同情から興味に変化した。
 手を貸してやりたくなる。

 いけない癖である。
 特に、現在の主であるあの少女は絶対におかんむりになるだろうに。

「あれは単に面通しの為の材料に過ぎない。―――手掛かりは服装さ。手分けして探すのさ。お前のように、変わった格好の男をね」
「あ…っ」

 望美はパッと顔色を変えた。
 それはそうだ。
 望美が周りの衣装でこの京の時代を推測したように、周りだってこっちの服装で異世界の者だと判断したに違いない。
 つまり、望美が探そうと思ったら「変わった服装の人はいなかったか」と聞けばいいのだ。

「朔ちゃんは、だから湯浴みさせようとしたんだと思うよ。お前の服は、目立つからね」
「な、なるほど…」

 望美は自分の格好を見下ろした。
 直前まで高校にいた望美の格好は、もちろん制服である。
 平安時代の衣装とは違う。
 だが、どう考えてもあんな重そうな衣装に変えるのは嫌だった。
 今だって、この格好だからここまで来られたようなものだ。

 ここでふと、望美はヒノエの軽装に目を付けた。

「……ヒノエくんの格好、楽そうだよね」
「んん?」

 嫌な予感がする。
 一転狩人のような顔をした望美に、ヒノエはぴくっと反応した。
 望美はヒノエをガシッと掴んだ。

「ヒノエくんの服分けて!」
「えっ…」
「そしたら戻るから!ね、お願い!」
「ええええ…っ」

 思いもよらぬ要求にヒノエは絶句した。

(オレの服を分けろだって???)

 冗談にしか聞こえない。
 が、望美は真剣な顔をしている。必死な様子はなかなか断りづらい。
 そしてヒノエは、好意を感じた女の子のお願いには弱く…。

「……しょうがねえな」
「ありがとう!」

 こうして望美は、この世界風の、しかし、朔の希望とはかけ離れた衣装を手に入れることになったのだった。



 ヒノエの衣装の望美が見たい。
 ……オフ本で書くべきだったのでは……(那由多の表紙が頼めた)


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