更新日記
こんにちは。
すいません、すいません。
うっかり日記を書くのを忘れてました。
弁慶も脱稿してます。
ちょこっとポスターを那由多が作ってくれたのが嬉しくて、原稿の進み具合の公示がてらあげています。
あ、弁慶は1100円になります。
何だ、結局本編並じゃねえか、と、遠い目をしました。
84Pくらいって思ってたのに。
ばっちり108Pです。
そういうわけで、セット本の方がやはり安くなりそうです。
け、計算通りなんだからね・・・!
(でも半分ホント。どれかは1100円になるだろって思ってたのよ)
途中抜粋。
お楽しみいただけたら幸いです^^
ではでは、拍手、ご来訪、誠にありがとうございました!
政子もその手を見つめてくすくす笑う。
「弁慶殿も御苦労様。大変だったのではなあい?」
「政子様?何を……」
弁慶の反応に、望美はハッとした。
繋がれた掌。もう一夜と言って離さなかった弁慶。
冷たい何かが胸に落ちる。
もしここで、弁慶が何か言ってくれたらよかったのに、否定してくれたら信じられたかもしれないのに、弁慶は何も言わなかった。
九郎が困惑して問うのを無視して、政子は望美の頤に指をかける。
間近に微笑む。その美貌に吐き気がした。
望美は逃げ出したい、せめて何か言いたかったのに口が動かず、足も動かない。
これはもはや手が繋がれているからとか、そういったレベルではなかった。
尋常ではない。
「本当に……綺麗。怨霊姫などという恐ろしげな呼び名だから、わたくし、もっと怖い方だと思っていましたわ。ごめんなさい?」
将臣が絶句し、景時が目を見開いた。
怨霊姫。
それは何度も聞いた名前。
桜色の夜叉―――平家方最大の鬼将。
……彼女が……?
「な―――何かの間違いでは。彼女は白龍の神子でして、怨霊を封じる能力を持つ我々の仲間で……っ」
必死の九郎の発言に、政子は驚いたように目を見開いた。慎ましく口元を隠して、小首を傾げる。
「あら。では寝返って下さったの?」
あくまで望美を敵と断定する口調。
ここで望美の肝は完全に据わった。
そうだ―――ここは敵陣。
甘い言葉に絆されて、ついてきた自分が愚かだった。
「――寝返るわけがないでしょう。馬鹿にしないで」
低い望美の声が、通った。
九郎が目を見張る。
彼女は、これまでの「望美」を脱ぎ捨ててしまったかのようだった。
辛辣な口調。凄艶なる美貌。
まるで蕾が花開くみたいに。
望美を、まるで焔が包んでいるように見えた。知盛がここにいれば哂ったかもしれない。
政子は、望美を―――桜姫を呼び覚ましたのだ。
春の名を持つ姫。しかし、その花は、戦場でこそ真価を発揮する。
だが、政子も負けてはいなかった。
政子もまた、神をおろす器量の女。しかも今やその神とはほとんど同化を果たしているのだから。
「馬鹿になどしていないわ。もしそうなら凄いわって、驚いただけ……」
うふふ、と微笑む女を睨みつけ、望美は一歩前に出る。弁慶の手は振り払った。
「凄い?」
「あら……だって、あれほど献身的でいらしたのだもの。寝返ったのならびっくり……でしょう?」
望美は静かに黙った。
ここでの勝算はあるか、静かに考えていた。
最奥に座ったまま動かない少年を見つめる。流れからして、この少年が熊野の頭領だ。額に玉。彼も八葉。―――だが、その助けが当然借りられるなんて望美は思わなかった。
望美自身が、今、白龍の神子と八葉の絆を厭わしく感じているからこそ。
八葉なんていっても裏切るのだ。弁慶のように。
何を信じる?誰を信じる?
こんな場所で。
「でもあなたが味方じゃないのなら……仕方ないわね。……景時、捕えて下さる?」
弁慶編は、弁慶×桜姫、そして弁慶と清盛にスポットです。
はたして彼の、彼女の選ぶ未来の果ては・・・・・・?
何が面白かったって、何気に将臣と弁慶の組み合わせでした。
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