忍者ブログ
更新日記
2024/11月
≪10月  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30  12月≫
[719] [718] [717] [716] [715] [714] [713] [712] [711] [710] [709
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


 こんにちは。

 夏コミ1日目ですね^^
 行かれた方はお疲れ様でした!
 桜宵の本を手に取っていただけた方は、本当にありがとうございます^^
 
 
 今日は、本当は、原稿があがっている予定でした。予定。けふ。


 なので飲み会です。
 すっきり大騒ぎ―!とはいかないのがつらいところですが。
 前々からの約束ですのだ。

 あ、前から知盛編の抜粋はどうしたというお声が来てますので、下に抜いておきます^^


 通販ももう少ししたら開始したいところ・・・

 今日は知盛と将臣にかかっておりました。
 将臣・・・・・
 君はいけない人だ・・・・・・!!(那由多談)


 本日も拍手・ご来訪、誠にありがとうございました^^

拍手[4回]



 ちょうどその頃、ある人物が京に到着していた。
 熊野別当・藤原湛増である。
 通称をヒノエ。
 六波羅に作っていたアジトが使えなくなったヒノエは、京の様子を見がてら、新しいアジトの場所を探しにきていたのだ。
 もちろん、平家の様子―――とりわけ、桜姫のご機嫌伺いに行こうともしているのだが。
 まだ、どこにも自身が京に来たことは知らせず、ヒノエは馬を引きながら、適当に歩いていた。
 そこに向かったのは偶然である。
「……桜姫……?」
 妖艶の舞。
 この京の水がめであり、神威の場所であるそこで、一人の舞姫が待っていた。
 桜がまるで慕うようにそのひとのまわりを彩る。
 扇に描かれた意匠は沙羅双樹。
 まるで町娘ほども軽装でありながら、滲む気品は隠しようがない。
 唇に少しだけさされた紅が艶めかしく、ヒノエは思わず立ち尽くした。
 水を飲みたい馬がヒノエを引っ張って、一鳴きする。
 それによって、幻想の世界は断たれた。
 望美もまた、人がいるのに気づき、しかもそれが旧知の少年であることに驚いた。
「ヒノエくんっ……?」
「……やあ、桜姫」
 ヒノエは何とか普通の声を出した。
 心の臓がやけに大きく耳を打つ。
 今まで黙っていたかのように、急にその音が耳に届くようになった。
 それと同時にあふれだすもの。
 強烈な憧れ。
 物凄い吸引力。
 それらを何とか、このときのヒノエは抑え込んだ。
 望美の目には、僅かに涙が光っている。
「こんなところで、舞の練習かい?」
「あ、ううん……そんなんじゃないんだけど……」
 望美は曖昧に首を振り、健気に笑顔を作ってみせた。
「京にいたんだね、ヒノエくん。知らなかった」
「着いたのはさっきだよ。一番初めに見た顔がお前なんて、オレはついてるね」
「ふふ、ヒノエくんってば……」
 望美はおかしそうに笑う。
 しかし、どうにも仕草は弱々しかった。
 たまらないくらい。
 ―――前に涙を見たときは、ヒノエは、何故望美が泣いているのかを知らなかった。
 だが、今回は見当がつく。
(知盛の奴……っ)
 ここに弁慶がいれば、「彼のせいではないのですから」くらい、言ったかもしれない。
 事実、ヒノエだってそう思う。
 しかし、それでもどうしたって波立つのだ。
 心が。
 ざわついて、止まらない。
「………ヒノエくん…」
 ヒノエは黙ったまま、望美の涙を指先で掬った。
 黙ったまま、ヒノエは無表情だ。
 その心の中はうかがえない。
「これは、目にゴミが……」
「知盛のことだろ?」
 望美が釈明しようとしたとき、ヒノエが端的にそれを遮った。
 望美は一瞬詰まる。そして、少しだけ笑った。
「……ヒノエくんも知ってたんだね」
「京の情報でも、今一番、大きいものだからね」
 正直、ヒノエは知盛が受けるとは思わなかったのだ。
 源氏の大姫を政略結婚で迎える以上、正室として迎えないわけにはいくまい。
 あるいは、知盛が婿として東国に下るのならば、やはり桜姫をともに連れて行くことはできないだろう。
 どちらにせよ、受けるとは思わなかった。
 だが、逆に、避けることもできないだろうと思っていた。和議の直後に、その相手との縁組を断れるはずがない。
 これは、政治なのだ。
 また、それを分からない桜姫ではないと、ヒノエは思っている。
 やはり、望美は軽く笑った。
「……まあ、そうだよね。あの人意外に、有能だもの」
「ああ」
「縁談、これ以外も、きっといっぱいあったよね……」
「たぶんね」
 声に気負いはない。
 悲壮感も。
 どこか諦めてしまったように、望美は話す。
 だが、じっとしてはいられないのだろう。
 舞でも舞うかのような足取りで、その場でゆらり、扇を閃かせる。
「桜姫……知盛が、許せない?」
 望美は静かに首を振った。
 これが知盛の望んだことではないことも、知盛が抵抗してくれただろうことも、全部分かるからだ。
 許す許さないの問題ではない。
 面倒くさがりのあの人が、全部放り出してないというだけで、むしろ褒めるべきではあるまいか。
 そう思う。
 本当に、そう思うのに。
「……桜姫っ……」
 無表情に舞う望美の頬に、涙が一筋だけ伝った。
(―――あなたから聞きたかったよ)
 知盛は絶対そうしない。
 分かっているのに、心が張り裂けそうに痛かった。
 傍にいたい。
 共にいたい。
 知盛は望美を失いたくないと言ってくれたけれど、それは望美もまた同じだった。
 二度と離れたくないと、あの時に誓ったはずだったけど。
 ヒノエに抱き締められても、望美は抵抗しなかった。
 ―――抵抗するだけの気力がもうなかったのかもしれない。
 


 知盛編です(にっこり)
 あッ、石は投げないで!(笑)


 平和になりました世の中ですが、何かと大変です。
 領土とか、位とか、結婚とか。

 物語は終わってメデタシメデタシではないのです・・・
 
 
 
 
PR
この記事にコメントする
name
title
color
mail
URL
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret (チェックを入れると管理人だけに表示できます)
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:

Powered by Ninja Blog    template by Temp* factory    phot by Abundant Shine    icon by cherish

忍者ブログ [PR]

カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
フリーエリア
最新トラックバック
プロフィール
HN:
葉明
性別:
女性
趣味:
読書・ゲーム・料理
バーコード
ブログ内検索
FX NEWS

-外国為替-