更新日記
こんにちは、葉明です。
先日からずーーっと悪戦苦闘していましたが・・・・トキヤの件です。
お話が変わってしまったために、映画のシーンが入れられなくなってしまいました。
せっかく、ブログの拍手でお願いされていたのに、ごめんなさい。
ということで、その部分を抜粋、下に畳んでおきます。
R18なので、大人だけお願いします。
推敲がちょっと甘いかもですが、ご容赦を。
今日は何だかやたらと疲れています。
何とかしたいよー。
今日はここまでで。
本日も拍手・ご来訪、誠にありがとうございました!
「よ、よしっ」
場所も時間も変わって、春歌の部屋―――その日の夜のことである。
リビングの中央で正座した春歌は、とあるものを前に強い決意を固めていた。
もうじき、トキヤがやって来る。
――――特訓の成果は確かに出ている。
それでも、やっぱり翻弄されてばかりは駄目だろう。
そもそもは自分の自信のなさ、積極性の足りなさを埋めるために付き合ってもらっているのだし。
……恥ずかしいし。
なので、春歌はとある秘策を考えていたのだ。
チャイムが鳴った瞬間、春歌はそれを手にダッシュで玄関まで走った。
挨拶もそこそこに、それをトキヤに突き出す!
「こんばんは―――今日は映画を観ましょう!」
ほとんど続けて春歌は言った。
春歌の勢いと言葉に、トキヤが目を丸くする。
―――トキヤが、春歌の部屋に朝に来てくれるのは時間がないとき。
そうでないときは夜で、時間をとって、きっといっぱい触れられてしまう―――という事が分かり始めてきたから、朝に連絡がなかった時点で、春歌はDVDをレンタルしてきていたのだ。
キスされてしまう前に主張する。
「……ほう、映画」
「これも恋人っぽいです。特訓です!」
先手必勝。
強気で主張しなければ、トキヤには通らない。
ついでに、トキヤの知らない映画だったら、彼の、演技の勉強にもなるかもしれない―――と、これは内緒のままで、春歌はずいっとDVDを押し出した。
タイトルを一瞥したトキヤは、にっこりと笑った。
「―――いいですよ?君の思う通りにしましょう」
「えっ」
春歌は、拍子抜けした。
駄目ですよと言われて、キスされて、昨日と同じようになってしまうかもと思っていたのだ。
だって、ここ数日ずっとそうだったし。
(い、いいの、かな……?)
トキヤのためにと考えたはずなのに、何だか自分が逃げただけのように思えてしまう。
「さ、行きましょう」
「は、はい…」
優しい笑顔が嬉しくて、ほんの少し後ろめたい。
だが、それは、――――甘かったのだ。
「と、とととトキヤくんっ、これは……!」
「はい?」
DVDをセットしてさあ観賞、という段になって、トキヤは春歌をおもむろに抱き上げると、自分の膝の上に座らせてしまった。
背後にぴったりとトキヤを感じ、春歌はぎょっとした。
まさか、このまま観るとか言う?
「あの……横に座らせてください……?」
重いだろうし、トキヤも見にくいだろう。
遠慮がちに春歌は言ってみたのだが。
「駄目です」
――――あえなくトキヤには却下されてしまった。
「そ、そんなぁ……でもっ」
解放されるどころかきゅっと抱き締められてしまい、まともに後ろを振り返ることもできなくなって、春歌は更に狼狽えた。このままでは、映画の内容も碌に頭に入らなくなってしまう。――――だが。
「駄目です。これが正しい恋人同士の映画の鑑賞法なのですよ?」
本当にそうなのか、トキヤはしれっとしている。
しかも、
「と、トキヤくんっ……?」
「ふふ、ただ観るだけでは特訓になりませんから……ね」
トキヤは不敵に微笑みながら足を組むと、春歌の足を広げさせてしまった。
「んっ…」
――――うなじに口づけられる。
春歌が思わず背を逸らすと、トキヤの掌が、ワンピースの上からふわりと胸を包み込んできた。
「と、トキヤくん……!」
やわらかく揉まれ、春歌は羞恥心でいっぱいになって身じろいだ。昨日とは違う。ちゃんと服を着ているのに、気分はもう脱がされてしまったみたいだ。
春歌が逃げ腰になるのに、トキヤが強めに囁いた。
「特訓、です」
「で、でも……恥ずかしいです……っ」
背後から抱き締められて、ふわりと胸を包まれて。
これで「特訓だから」と恥ずかしがらずにいられたら、どうかしている。
ここで、トキヤは諭すように微笑んだ。
「恥ずかしいからいいのですよ。そう言ったでしょう?……ほら、始まりますよ」
これに、春歌はどうにも弱い。
いつだって、そう、逆らえなくなってしまう。
「うう、はい…」
最初こそソワソワした春歌だったが、服も着ているし、トキヤがあまり動かないのにホッとして、だんだん画面に集中し始めた。
恋物語ならこれがおススメというポップは確かだったようで、出会いからドキドキの展開が続いている。
(うん、この映画のヒロインもアイドルを目指しているのですね……あっ、寿先輩!)
見知った顔を見つければ倍も楽しくなって、春歌は次第に物語の中に熱中していった。
(あ、このBGMの使い方……!)
めずらしい入り方だ。
春歌が思わず身を乗り出してしまったとき、背中で奇妙な音がして、急に素肌に風を感じた。
――――トキヤがファスナーを下ろしたのだ。
「っ!トキヤくん……!ひゃっ…」
振り返ろうとした拍子に、背中にキスされて春歌は軽く身を竦ませた。―――背に、唇と金具の感触。
ファスナーの金具をトキヤが口で開けたのだと気づいてその様子を想像し、春歌の動悸は更に高まった。
「ふふ、……観てないと駄目ですよ。せっかく借りてきたのでしょう?」
「そ、そうですけど、あの……あっ……」
きゅ、と胸が強く揉まれて、春歌はたまらずに声を上げてしまった。
「ほら、集中して」
――――集中させてくれないのはトキヤなのに、そんなことを言う。
「そ、そんなっ……はぅ……」
春歌は困り果てながら、画面に視点を戻した。
でも、どうしても、トキヤが気になる。包まれた胸も。さっきみたいに集中して見られない。
ヒロインが頬を赤らめるよりもっと、顔が赤くなってしまう。……だって。
「ふふ、脱がせやすいワンピースなんて、熱心ですね。可愛いですよ」
こんなこと、まだヒロインはされていないから。
「んっ…そ、そんなつもりじゃ……ふ、あ……っ…」
耳元で囁かれる。
それだけで、春歌の意識は一気に引き戻されて、トキヤのことしか考えられなくなってしまう。
だめ、映画、観ないと……。
「トキ……トキヤくん……っ」
恥ずかしい。逃げ出したいくらいに。
――――触れて欲しい。逃げることなんて考えられなくなるくらいに。
どちらの気持ちが正しいのか分からないうちに、話は進み、映画はハイライトに突入していく。
「あっ……トキ、ヤ、くん……映画っ……」
脱がされちゃう。昨日よりも、もっと。
肌蹴ていく服を何とか押さえたくて、そうしたらトキヤの手が拒めない。拒みたくない。
「ええ、じっくりと観てください」
「……んっ、トキヤくん、も……ッ」
春歌の息があがる。
……春歌の息をあがらせているトキヤも、僅かばかり息を乱していた。
(敏感ですね―――憎らしいくらいに)
春歌の媚態に、興奮する。
もしかして誰にでもこうなってしまうのかと思うくらいに春歌の身体は従順で、敏感だった。
ほんの少しの刺激で、あっという間に朱を散らせる。
今そうさせているのは確かに自分だというのに、妙な嫉妬心が湧き上がってくる。
それは、これが特訓でしかないからだ。
(自分で仕掛けたことだというのに―――滑稽ですね)
……こんな自分の物思いに、春歌はきっと気づいていないだろう、と思われた。
でも、それでいい。
特訓でも何でもいいから、春歌に近づき、その身も心も絡め取りたい。自分だけのものにしたい。
そのための手段は選ばない―――そう決めたのは自分なのだから。
HAYATOのとき以上に忙しくなった日々の中で覚えた葛藤は、今も胸の奥で燻っている。
あんなもの、これからきっと何回でも見る、そして何でもない光景だろうに。
春歌にも―――相手にも、きっと他意はない。今は。
けれど、いつまで?
ずっと永遠に春歌に「相手」がいないなんて、そんなことはありえないのに。
「トキヤくんも……観てっ……」
可憐な声が憎らしいほどに愛おしい。
トキヤは、わざと春歌の首筋に口づけたまま囁いた。
刻印を押すように噛みつきたい。
「ええ――――しっかりと見ていますよ」
何をかなんて、言わなくても春歌には分かるだろう。
もちろんトキヤは、画面など最初から見てはいない。
先を暗示するかのように、トキヤの唇が滑った。
「あッ…!」
切なく、春歌が啼いた。
トキヤの熱が加速する。
煽られるまま、トキヤがその唇を奪おうとしたとき、二人を現実に引き戻すかのようにコール音が鳴り響いた。
「………あ…」
メールではなく、電話だった。
春歌が困ったように振り返る。
トキヤは、仕方なしにリモコンに手をやった。春歌の服の、ファスナーを元に戻す。
「事務所からかもしれませんね。……止めておくから、どうぞ、出てください」
「は、はい、すみません…」
春歌が腕の中から抜け出して、パタパタと駆けていくのをトキヤは見送ろうとした。
ふくらみかけた欲望が手に余る。
……嘆息する。
いつもと違う春歌の声が聞こえなかったら、そのまま黙って待っていたかもしれない。
「えっ……そ、そんなっ、待ってください!お話が違いますっ……!」
「―――春歌?」
こんな感じです。
アニメ後のトキ春だったので、横一線から抜け出したくて、トキヤが非常に頑張っているお話でした。
このままいってもよかったんですけどね・・・
楽しんでもらえたら幸いです。
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